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うまい棒カバヤキ味
 について1年ほど前に書いた文章が発掘されました。 何だこれはアホか僕。


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 彼との出逢いは唐突だった。でも、それは運命ではないのかと感じさせるぐらいに、彼には惹かれるものがあった。 強い「個性」という、その魅力に…。 僕の目には彼だけしか映らなくなった。

 僕はずっと彼だけを見ていた。いつでも優しく微笑んでいる、そんな彼を見つめるのが好きだった。 いつの日か、彼が僕の視線に気付くようになった。 そして、そっと優しく微笑み返してくれる。 それが嬉しかった。

 そんな彼と僕の距離は縮まっていく。


 ある日、いつもと変わらぬ表情、彼はその強い個性で僕のことを抱きしめてくれた。 その気持ちに答えるように、僕もそっと彼に手をかけた。 そこで事件は起きた…。

 彼の方から聞こえてくる鈍い音。 一瞬何が起こったのかわからない。 だけど、崩れ落ちていく彼を見て理解する。 忘れていた、彼はうまい棒。 抱き(握り)しめる力を入れすぎて、彼は粉々に”砕けて”しまったのだ。

 …彼の死はまぬがれないものとなった。 一体何故!神様ひどい!人とうまい棒は…!! 泣き叫ぶ僕の腕の中で、いつもと変わらぬ表情、微笑んでくれる彼がいた。 泣く必要はない、そう語りかけるように。

 彼は最後の人(うまい棒)生の思い出に、自分を食べるよう僕に言った。 うまい棒は、食べられるという死を持って最後の役目を果たす、と。

 それが彼の望みなら、と僕は彼を口に含んだ。

 一口目から彼の味がして、涙があふれて止まらなくなった。 口を動かすたびに、辛くて咳き込んでしまう。 食べ終わるまでが彼との最後の思い出、食べ終わってしまってはもう過去の思い出。 もうそこに彼の姿はない、あるのは僕と彼の亡骸(袋)だけ。 彼の亡骸を風がさらっていく。

 あっ…。 手を伸ばしてももう彼には届かない。

 僕が最後に見たのは…彼の原材料の一つ、「うなぎエキス」の文字だった…。

 彼は…こんな形でも本当に満足だったのかな…。
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 一部修正を加えましたが、どうやら僕がおバカなのは前から変わっていないようです。 確かこの記事はうまい棒を600本購入した時に書いたものだったような。 うまい棒600本事件について読みたい人なんていませんよね…。


 10日×
by mei-sy | 2005-07-10 22:57
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